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美肌を保つために

多くの女性が肌を美しく見せたいと願っています。「肌は内面を写す鏡」と云われるように、美しさを単なる外見の美しさではなく、内面から生み出される美しさとして、心身ともに健康で充実した快適な生活習慣が大切と考えている人が多いことも事実です。美肌に対する意識は、10年前と比べて、幅広い年代で高まっており、実際の年齢より若く見られたい女性は20代の女性にまで及んでいます。

美肌とは一言でいうと、健やかで美しい素肌のことで、目で見たり手で触れたりして実感できることはもちろん、見えない肌内部でも健やかさ・美しさの条件がそなわっている肌でなくてはいけません。

表皮のいちばん外側にあり、外界と接する角層は、水分を保持して肌のうるおいを保つ保湿機能と皮膚からの水分の蒸散を防ぎ、物理的・化学的刺激から皮膚を守るバリア機能という2つの大切な役割をもっています。角層は1μmほどの扁平な角層細胞が15~20層重なってできており、ちょうど髪の毛の断面の1/10ほどの厚さで、みずみずしいうるおいのある素肌を保つためには角層の状態がとても大切です。

では、状態の良い角層とはどのようなものかというと、①水結合分子がじゅうぶんにあり、②セラミドなどの角質細胞間脂質の配列が良く、③CE (Cornified Cell Envelope; 角化不溶性膜)が完成し、④皮脂膜の状態が良く、⑤角質剥離酵素が順調に働き、⑥pHのバランスがとれている状態です。

睡眠と美肌

睡眠不足は美容の大敵であると言われていますが、十分な睡眠は、健やかで美しい肌に欠かせません。皮膚の細胞の分裂、再生は成長ホルモンの分泌により促進されます。成長ホルモンの分泌は、体内時計(サーカディアン・リズム)に影響され、1日のうちでもっと分泌されるのは、寝入りばなの眠りに落ちてすぐのノンレム睡眠の時間です。たとえば午後11時くらいに寝る人の場合、ノンレム睡眠の現れやすい時間帯は、午前0時から午前1時までの間です。

成長ホルモンは細胞の分裂を促し、皮膚の再生活動を盛んにします。眠らないと成長ホルモンは分泌されず、皮膚の再生が行われません。就寝時間が不規則な生活を続けると、体内時計が乱れ、免疫力の低下や自律神経の乱れ等を引き起こし、肌にもさまざまなトラブルを生じてしまいます。男性ホルモンの分泌が促進され皮脂過剰からにきびができたり、ターンオーバーの乱れから肌がくすんできたりします。

コラーゲンには35%のグリシンが含まれており、コラーゲンペプチド摂取による美肌効果を考える上で、グリシンの生理効果は無視できません。グリシンは最も小さいアミノ酸であり、非必須アミノ酸のひとつです。

グリシンには「睡眠の質」を改善する作用があることが報告されていて、就寝前にグリシンを摂取したときには自然な深い眠りへすみやかに移行できます。また、翌朝の疲労感や全般的気分の向上が認められています。

美肌食品としてのコラーゲンペプチド

肌理の整った肌は美肌の条件といわれているぐらいに、皮膚表面を美しくきれいに保つためには、角層の水分保持力を高めて、角層の柔軟性を維持することが重要です。肌表面の保湿には保湿効果のあるスキンケア化粧品の使用が必要ですが、体の内側から美肌を作り上げていくためには、美肌に良い食品を摂取することが大切なことは言うまでもありません。自然の中にある食品や食材の中から美肌づくりに効果的な成分を摂取していくことが理想ですが、もしもこれらの成分を十分に摂取するのが難しい場合には、美肌食品などを使用することになるので、美肌機能性成分の需要は益々増加すると考えられます。

なかでも、コラーゲンを酵素などで加水分解して低分子化したコラーゲンペプチドには美肌効果があることが複数の研究機関から報告されています。

コラーゲンは、皮膚、骨、血管などの組織に存在する繊維状のタンパク質で、人体を構成するタンパク質の約30%を占めています。人体のコラーゲンの40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に存在し、その他に血管や内臓など全身に広く分布しています。特に、真皮マトリックスの主成分であるコラーゲンは、加齢によって減少することが知られており、これが、しわやたるみの要因のひとつと考えられています。

コラーゲンのアミノ酸組成が他のタンパク質のアミノ酸組成と大きく異なる点は、①グリシン(Gly)という最も単純なアミノ酸が約35%含まれていること、ヒドロキシプロリン(Hyp)という特殊なアミノ酸が約10%含まれること、プロリン(Pro)が約12%含まれることです。コラーゲンを多く含む食品としては、鰻の蒲焼、鱧皮、牛すじ肉、鶏皮などがあります。

コラーゲンペプチドの吸収性に関しては、魚鱗由来の異なる分子量(平均分子量 5,000と1,300)のコラーゲンペプチドをヒトに摂取させて血中への移行を調べたところ、低分子の方が吸収性は高いという報告があります。また、コラーゲンを低分子化することで、ゲル化能がなくなり水に溶けやすくなるため、コラーゲンペプチドは製品化しやすいという利点があります。低分子コラーゲンペプチドは消化吸収も良いことから、美容食品に配合されていますが、平均分子量が同じであれば、豚皮コラーゲンペプチドの吸収性と魚鱗コラーゲンペプチドの吸収性に差はないと考えられます。

皮膚移行性については、14Cラベル化したコラーゲン加水分解物を用いたマウスの経口投与時の体内動態試験で、ラベルされたアミノ酸が皮膚で検出され、12時間後にピークに達することが報告されています。また、ラットにゼラチンまたはコラーゲンペプチドを経口摂取したときの皮膚中のヒドロキシプロリン量を調べたところ、コラーゲンを熱変性したゼラチンでは皮膚でのヒドロキシプロリン量はコントロールに比べて有意差はなく、コラーゲンペプチドの場合は、皮膚可溶性画分中のヒドロキシプロリンが多いことが報告されています。

Maeda-lab.com

Aesthetic Science Research Lab., Tokyo University of Technology in Japan