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界面活性剤は安全なの?

界面活性剤は、その原料から大きく①天然系②石油系③合成の3つに分類されます。さらに、化学的性質により、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤に分類されます。安全性の高いものから低いものまであるのが特徴です。一般的にアミノ酸系 (天然系)非イオン界面活性剤は安全性が高いですが、その分、洗浄力等の界面活性剤としての機能が低くなります。もちろん、化粧品には安全性の高い界面活性剤が使用されていますので、石油系や合成の界面活性剤でも問題はありません。

石鹸や洗顔フォームは、界面活性作用により皮脂などの油性の汚れを浮き上がらせ、そして包み込んで水中に取り込み除去します。これは、衣料、食器用の洗剤と基本的に同じ洗浄メカニズムです。一方、メーク落としは、メークの油成分を油に溶かし込み、それをふき取り除去しますが、少量の界面活性剤で水中に分散除去する洗浄メカニズムです。そのため、メーク落としは油成分に対する親和性が非常に高い油分が高配合されており、この油基剤による油性感により、使用後にさっぱりしない感じが残り、その後の洗顔料の使用につながります。

「界面活性剤」は肌にあまり良くないと、雑誌やTVなどで取り上げられていますが、油性のメークをする以上、これがないと水で洗い流すことができないので、メーク落としや洗顔には欠かせないものです。もちろん、メーク落としや洗顔料だけではなく、界面活性剤はクリーム、乳液などのほとんどのスキンケア化粧品に入っています。

化粧品、特に洗顔料やメーク落としにおいて「界面活性剤が含まれているから肌に悪い」と決めつけるのは間違いです。界面活性剤が入っているか、入っていないかではなく、①どの種類の界面活性剤が使用されているか、②他の成分の種類・配合量がどうなっているのかを見極める化学知識を一般の消費者がもつことと、メーカーが安全性等の学術情報を開示することが必要です。化粧品成分表示などの情報を正しく理解して、自分に合う化粧品を使用するのが、一番望ましいのです。

Maeda-lab.com

Aesthetic Science Research Lab., Tokyo University of Technology in Japan